過去10年間で最も歯ごたえがあり、かつ雰囲気のあるゲームを手掛けたクリエイターが、新たな一歩を踏み出しました。『Returnal』のゲームディレクターであり、Housemarqueで約15年ものキャリアを積んだベテラン、Harry Krueger氏が、フィンランドを拠点とするインディー・スタジオCosmic Divisionを正式に設立しました。
Housemarqueから新たな挑戦へ
Krueger氏がHousemarqueを退社したのは2023年11月のこと。PS5で高い評価を得た『Returnal』の発売から約2年半後のことでした。今回の発表のタイミングは注目に値します。Housemarqueはちょうど『Saros』をリリースしたばかりであり、フィンランドの同スタジオが大きな注目を集めている今、Cosmic Divisionがその文脈に加わる形となります。
新スタジオは自らを「コンパクトなチーム」と称し、「無駄を削ぎ落とした(lean-and-mean)」哲学で運営していくとしています。具体的な人数は明かされていませんが、この表現は、近年多くの中規模スタジオを苦しめてきた肥大化した開発パイプラインからの脱却を意図していると言えるでしょう。
Krueger氏はHousemarqueで約15年間勤務し、2023年11月に退社。Cosmic Divisionは同氏にとって初の設立スタジオとなる。
Cosmic Divisionが目指すもの
現時点で、最初のプロジェクトに関する詳細はほとんど明かされていません。Cosmic Divisionが認めているのは、コンソールとPC向けに開発される新しいシングルプレイヤーIPであるということだけです。スタジオはこれを「妥協のないゲームプレイ重視の体験」であり、「強い感情的共鳴を呼ぶストーリー」を持ち、「スタジオの伝統を継承するもの」と説明しています。
この方針は、『Returnal』や『Saros』を魅力的な作品にしていた要素、すなわち、雰囲気のあるSFストーリーテリングを背景にした、タイトで歯ごたえのあるゲームプレイ・ループとほぼ直結しています。Krueger氏がその公式を新鮮なテーマや新たな才能でさらに磨き上げるのであれば、その実績だけでも注目に値するでしょう。
「私たちはこれまでの成果を誇りに思っていますが、立ち止まるつもりはありません」とKrueger氏は発表声明で述べています。「Cosmic Divisionでは、これまでの強みを活かしつつ、新鮮なテーマやアイデア、才能を取り入れることで新たなエッジを切り拓いていきます。プレイヤーを信頼し、心に深く残るような、時代を超えた価値を持つゲームには、常に居場所があると信じています」
ここで重要なのは「プレイヤーを信頼する」という言葉です。『Returnal』は決してプレイヤーを甘やかすようなゲームではありませんでしたが、Cosmic Divisionもその姿勢を変えるつもりはないようです。

Returnal set Krueger's template
フィンランドから生まれるスタジオの系譜
フィンランドのゲーム開発シーンには、まさにこのような作品を生み出す静かながらも確かな実績があります。Housemarque自身も、数十年の歳月をかけて『Returnal』に到達するまでは小さなチームでした。同じくヘルシンキを拠点とするRemedy Entertainmentも、作家性の強い雰囲気重視のシングルプレイヤー体験を追求することでその地位を確立しました。Cosmic Divisionは、まさにその伝統に沿ったスタジオと言えます。
「ミステリー、ムード、没入感」を重視し、「中毒性の高いゲームプレイ・ループ」と「視聴覚的なスペクタクル」を追求するというスタジオの姿勢は、マーケティング用のコピーというよりも、Krueger氏がHousemarqueでのキャリアを通じて磨き上げてきたことの直接的な延長線上にあるように感じられます。プレスリリースによると、ゲームの詳細な発表は「後日」行われる予定です。
Cosmic DivisionのDNAを理解したいプレイヤーは、当サイトのゲームレビューで『Returnal』と『Saros』の詳細な解説をご覧ください。また、このスタジオの次回作に向けてスキルを磨きたい方は、ゲーミングガイドハブにて両タイトルの攻略情報を確認できます。
Cosmic Divisionの第一作目のリリース時期は未定ですが、スタジオはすでに活動を開始しており、開発が進行中であることは間違いありません。今後の最新情報については、cosmicdivision.comをチェックしてください。







