Xboxは3月、AIアシスタント「Copilot」を2026年末までに現世代コンソールへ導入すると発表していましたが、それから2ヶ月も経たないうちにその計画は白紙となりました。
Xbox CEOのAsha Sharma氏は5月5日、Twitter(現X)にて、Microsoftが「モバイル版Copilotの縮小を開始し、コンソール版Copilotの開発を中止する」と明言しました。ここで注目すべきは、モバイル版は「縮小」であるのに対し、コンソール版は「開発中止」という表現が使われている点です。Xboxハードウェア向けには製品版がリリースされることもなく、ただの約束が静かに消滅した形となりました。
この発表は、Xboxのリーダーシップ刷新に関するより大きな告知の中に盛り込まれていたため、Copilotに関するニュースを見逃した読者も少なくありません。この発表の仕方は、Microsoftがこの件をどのように扱いたかったのかを物語っています。

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コンソール版Copilotが本来目指していたもの
当初の発表を見逃した方のために補足すると、Xboxが描いていたコンソール版Copilotのビジョンは、ゲームプレイ中にガイドを行うAIコーチングツールでした。しかし、初期のデモは決して期待を抱かせるものではありませんでした。このアシスタントは、多くのプレイヤーが長年慣れ親しんでいるゲームの操作方法などを、上から目線で説明するような傾向があったのです。
プレイヤーがHaloやForzaのセッションを一時停止してまで、AIチャットボットにアドバイスを求めるというアイデアには、当初から無理がありました。実際、ゲーマーにはすでにYouTubeやReddit、攻略Wikiといった情報源が存在します。Copilotは、ゲーミングコミュニティがすでに自力で解決している問題に対して、より質の低い解決策を提示しようとしていたに過ぎません。
Sharma氏の声明は、今回の決定を、Xboxの現在の方向性と一致しない機能を切り捨てるという広範な方針転換の一環として位置づけています。同社は機能しないものを切り捨て、次へ進もうとしています。
Xboxが今後AIに注力する分野
Sharma氏が4月30日にTwitterで投稿した内容は、Xboxが今後AIをどこへ向かわせたいのかを明確に示しています。「AIの取り組みを、リアルタイムグラフィックスの向上など、プレイヤーの課題解決に再集中させる」というものです。これは、チャットボットのオーバーレイよりもはるかに具体的で、説得力のあるユースケースと言えます。
ここでの背景は重要です。Xboxのハードウェア売上は直近の四半期で 33% 減少しました。収益も前年比で 9% 減少しています。Sharma氏はPhil Spencer氏から引き継いで以来、Microsoft Gamingの名称を廃止してXboxブランドへ回帰させ、Game Passの値上げを撤回し、そして今回、プレイヤーに受け入れられなかったAI機能を整理するなど、迅速に動いています。Copilotの縮小は、この広範な戦略的リセットと直接結びついています。
新たな採用として、ChatGPTの元リーダーであるJonathan McKay氏や、Instacartの元プロダクト成長担当シニアディレクターDavid Schloss氏が加わったほか、Project HelixのリードであるJason Ronald氏が昇格しました。この幹部人事の刷新は、2月以来、Xboxにとって2度目の大きな体制変更となります。
XboxのAI戦略の全体像
今回の動きが示唆しているのは、Xboxが「ゲームの動作や見た目を向上させるAI」と「プレイ中に話しかけてくるAI」を切り離そうとしているということです。前者のカテゴリーには確かな可能性があります。Xbox Ally XにおけるAuto SRや、アップスケーリングの改善、フレーム生成、よりスマートなマッチメイキングなど、これらはプレイヤーが実際に恩恵を感じられる機能です。
一方、後者のカテゴリーであるテレビ画面上のチャットボットアシスタントは、ロード画面すらもどかしく感じるような層に対しては、最初から受け入れられるはずがありませんでした。Microsoftは最終的に空気を読み、決断を下したのです。
Sharma氏が掲げる北極星(目標)は、AI機能の数ではなく、デイリーアクティブプレイヤー数です。コンソール版Copilotの終了は、Xboxがここ最近行った決定の中でも非常に潔いものと言えます。Project Helixが最終的にどのような姿で登場するのか、この新しい方向性の真価が問われることになるため、今後も注目が必要です。








