概要
The Evil Withinは、Tango Gameworksが開発し、Bethesda Softworksより2014年10月に発売されたタイトルです。三上真司氏がディレクターを務めた本作のミッションは明確でした。それは、長年アクションゲームへと傾倒していたサバイバルホラーというジャンルを、その原点へと引き戻すこと。その結果、リソースの枯渇、環境による脅威、そして「何が現実なのか」をプレイヤーに問いかけ続けるストーリーを軸にした、サードパーソン・ホラーゲームが誕生しました。
刑事であるSebastian Castellanosは、大量殺人事件の捜査のためBeacon Mental Hospitalへと向かいますが、そこで説明のつかない何者かに襲撃されます。彼が目を覚ましたのは、存在するはずのない世界でした。そこにはグロテスクなクリーチャーが徘徊し、周囲の建築物は予兆もなく次々と姿を変えていきます。全15章で構成される物語は、STEMと呼ばれる装置と、Ruvikという名の怪物的な存在に隠された謎を少しずつ解き明かしていきます。

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ゲームプレイとメカニクス
The Evil Withinのコアとなるループは、極限状態でのサバイバルです。弾薬は常に不足し、敵はタフで、危険な場所をただ走り抜けるといった簡単な攻略はまず通用しません。主なメカニクスは以下の通りです。

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- 弾薬を節約するためのステルスによる暗殺
- トラップを解除し、敵に対して再利用する戦術
- 敵を倒して入手するグリーンジェルを使用したアップグレードシステム
- 敵の復活を防ぐためのマッチによる焼却
- 限られたインベントリによる、常に求められる取捨選択の判断
グリーンジェルを使ったアップグレードシステムでは、Sebastianのスタミナや武器の威力、アイテムの所持数などを強化できます。しかし、タダで手に入るものはありません。すべてのアップグレードは慎重なプレイの積み重ねによって得られるものであり、スクリプト化されたイベントでリソースを容赦なく奪われるため、アイテムを溜め込むだけのプレイは許されないのです。

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世界観を際立たせる不安要素
The Evil Withinの環境は、建築学的な論理に従っていません。廊下は崩落し、部屋は血で満たされ、建物全体が追跡の最中に歪んでいきます。これは単なる視覚効果ではありません。周囲の世界が変貌するという要素は、プレイヤーが覚えたマップの安全性を奪い去る、緊張感を生み出すためのコアメカニクスなのです。Tango Gameworksは、慣れ親しむことが決して安らぎにはならない設定を作り上げました。
クリーチャーのデザインもこの不安を助長しています。不規則な動きを見せる死体「Haunted」が標準的な敵として登場しますが、ゲームが進むにつれて、初見では攻略法を見抜くのが困難なボス戦が待ち受けています。また、突如現れる宿敵Ruvikによる即死級の追跡シーケンスは、プレイヤーが抱く「セーフルーム」の概念を根底から覆すでしょう。
ビジュアルとオーディオデザイン
The Evil Withinは、画面上下に黒帯を入れたシネマティックな2.35:1のアスペクト比を採用しています。これは閉所恐怖症的な演出を意図した芸術的な選択でしたが、発売当時は賛否を呼びました。カラーパレットは病的な緑、深い影、そして錆びついた質感を基調としており、田舎の村から手術室、さらにはシュールな悪夢の空間まで、多彩な環境が描かれています。
オーディオデザインも非常に重要な役割を果たしています。環境音は敵が姿を現す前にその存在を知らせ、BGMは圧迫感のある静寂と不協和音のストリングスを行き来します。ヘッドフォンを使用してプレイすると、ゲームの脅威の感じ方が劇的に変わるはずです。

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影響とレガシー
The Evil Withinが発売された当時、サードパーソン・サバイバルホラーは、緊張感を第一とする原点から大きく離れていました。発売時の評価は、テンポや旧世代ハードでの技術的なパフォーマンスを巡って意見が分かれました。しかし時を経て、特に緻密で過酷なホラーデザインを好むプレイヤーの間で、本作の評価は大きく高まりました。
本作はPC、PlayStation、Xboxでプレイ可能であり、Steamでも配信されています。3つのDLCが物語を拡張しており、特に「The Assignment」と「The Consequence」では、エージェントJuli Kidmanの視点から一人称視点で物語を体験でき、メインキャンペーンに深みを与えています。The Evil Withinは、リソースの枯渇と恐怖を単なる不便さではなく、デザインの柱として据えたサバイバルホラーの真髄を示す、最も明確な例の一つであり続けています。







