007のテーマ曲は、一種のイベントのような存在であるべきだ。2012年の映画公開に先駆けてAdeleの『Skyfall』が発表された時、人々はスクロールする手を止めた。Paul McCartneyが『Live and Let Die』を提供した時、それはロックのスタンダードとなった。優れたテーマ曲とは、映画やフランチャイズ、そしてそれが制作されたマーケティングサイクルを超えて、独自の生命を持つものだ。
IO Interactiveが手掛ける期待のステルスアクションゲーム『007 First Light』の公式テーマ曲であるLana Del Reyの『First Light』には、そうしたクオリティが欠けている。この楽曲は4月17日に予告なく突如リリースされた。5月27日のゲーム発売に向けたプロモーションの一環だが、驚かされたのは、その期待外れな仕上がりについてである。
楽曲の実際の印象
端的に言えば、『First Light』が残念なのは、007のテーマ曲を再定義しようとしたからではなく、あまりにも忠実に「お決まりのパターン」をなぞった結果、独自の個性が完全に失われてしまったからだ。
予定調和なストリングスの調べ。タイミング通りに挿入されるブラスのアクセント。歌詞には「Dying just to know whether you'll play your life like a game(人生をゲームのようにプレイするのかを知るために死ぬ)」といった、スパイ・スリラーを意識した007らしい言い回しが散りばめられているが、どれも印象に残るものはない。Del Reyのボーカルは、彼女の代表曲では確かな雰囲気を作り出しているものの、本作のプロダクションの中では埋もれてしまっている。結果として、摩擦や個性が入り込む余地のない、磨き上げられすぎた楽曲となってしまった。
ある熱心な007ファンは、この反応を「Lana Del Meh(ラナ・デル・微妙)」と簡潔に要約した。まさにその通りだろう。
これは楽曲そのものに対する批評であり、アーティストとしてのDel Reyを否定するものではない。彼女のカタログには素晴らしい作品が数多く存在する。『First Light』が、たまたまその範疇に入らなかっただけのことだ。
心に響いた007のテーマ曲
007のテーマ曲には明確な当たり外れがあり、その差は本作を語る上で重要だ。
Adeleの『Skyfall』が成功したのは、それが「007のテンプレートにAdeleのボーカルを乗せたもの」ではなく、「007映画に起用された、紛れもないAdeleの楽曲」として成立していたからだ。Sheena Eastonの『For Your Eyes Only』やCarly Simonの『Nobody Does It Better』も同様で、アーティストのアイデンティティが確立されているからこそ、何十年も愛され続けている。Duran Duranの『A View to a Kill』でさえ、テンプレートに合わせるのではなく、バンドのサウンドを007のフォーマットに強引にねじ込むことで成功を収めた。
評価の低い楽曲は、007のテンプレートを単なるチェックリストとして扱っている。『Casino Royale』のChris Cornellによる『You Know My Name』が抱えていた問題もそれだ。圧倒的な歌唱力を持つボーカリストでありながら、その力を発揮させない楽曲を与えられていた。『First Light』も同じ問題を抱えている。
実はDel Reyと007のテーマ曲には因縁がある。彼女は2024年、2015年のアルバム『Honeymoon』に収録された『24.』が、映画『Spectre』のために書き下ろされたものだと明かした。しかしプロデューサー陣はそれを却下し、Sam Smithの『Writing's On the Wall』を採用した。同曲はゴールデングローブ賞とアカデミー賞の歌曲賞を受賞したが、シリーズの中でも特に印象の薄い一曲として数えられている。
『007 First Light』への影響
テーマ曲は、巨大なパッケージの一部に過ぎない。『007 First Light』は、現代の『Hitman』三部作を手掛けたチームが開発しており、今年最も期待されているゲームの一つであることに変わりはない。IO Interactiveには魅力的な007ゲームを作り上げる実績があり、トレーラーの出来も素晴らしい。
平凡なテーマ曲一つでゲームの運命が決まるわけではない。『Die Another Day』の例を見ても、映画自体は興行的に成功している。ゲームがリリースされれば、プレイヤーはクレジットを見ながら曲を聴き、それぞれの評価を下すだろうが、最終的には実際のゲームプレイが話題の中心になるはずだ。
現時点では、YouTubeの公式リリックビデオで『First Light』を聴き、各自で判断してほしい。発売前にゲームの最新情報を確認したい場合は、5月27日の発売日に向けて更新される当サイトの最新ゲームニュースをチェックしてほしい。
ゲームは5月27日発売。オープニングのシネマティック映像と組み合わさることで、この曲がどのような印象を与えるのか、実際に確認する価値はあるだろう。今のところ、このテーマ曲は「まあ、悪くはないね」といった程度の会話を生むという、最低限の役割は果たしている。発売日が近づくにつれ、さらなるゲーム情報も公開していくので楽しみにしていてほしい。








